Crossing|宮森みどり
写真家 伊藤颯との二人展に合わせて制作した映像作品。
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幼い頃から"男の子みたいな服装"に憧れた私と、"ギャルかわいい服装"に憧れた伊藤。
小学生の頃から互いを知る2人の、お互いの印象や服装の話を対話形式で映像で記録した。オリジナルの対話映像と、その話者・衣装をシャッフルした映像とを、編集で交差させた作品。
女性は女性らしい特徴のある服を・男性は男性らしい特徴のある服を、という話のようにも見える瞬間がある。
はたまた、男性らしい格好に憧れる女性・女性らしい格好に憧れる男性の映像にも見ることができる。
二人の主体が、語りを交換することでクロスする。
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映像 5min
2019
Photo : Alt Medium
この作品を制作するきっかけになった伊藤颯との二人展
@Alt Medium (高田馬場 東京)
展覧会ステートメント
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「個人」という存在は一見具体的で自律的に見える。

そして「私は私だけの経験や時間を持っていて、他者のそれとは交わらない」という錯覚はいつしか、私とあなたに明確に線を引いた。

本展覧会は、演技の手法を用いて個人を解放する試みである。

今回、互いをよく知る古くからの友人同士で共同制作を行った。互いに、性別や性格こそ違うが、服の趣味や考え方・感性が近いといつも感じてきた。

この人生を背負ったのがたまたま自分であった。
その人生を背負ったのがたまたまあなたであった。

そういった視点から社会を見渡すと、人々はある点ではかけ離れ、しかしある部分では酷似している。

経験を偽装する。存在を偽装する。対外的に別の人間に成り代わる時間を持つことの難易度は、今の社会においてはとても低くなっている。

しかし一方で、他者が他者へ無責任に共感して代弁するような行為への非難は相次いでいる。

私が私でしかないことの何と貧しいことか。私と私でないあなたとの境界は、私たちが思うよりももっと曖昧で、ある時は消えて無くなってしまいうる。

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