ハーフや外国人と間違われることを多く経験してきた方にインタビューを行った。その記録映像を、作者自身(映像内)と役者(パフォーマー)がトレースしている作品。
上の画像左側(大きな映像)に映るのがトレースしている作者(宮森みどり)、画像右側に映るのがトレースしている役者(初鹿野海雄)、そして画像中央のモニターに映るのが、インタビューを行った男性である。
生まれてくる身体は選べない。インタビューした方は「外国の方ですか?」「日本語が上手ですね」などと、これまで多く言われてきた。しかしそれを悲観することなく、コミュニケーションの入り口として楽しもうとしてきた軌跡を想像することもできるインタビューであった。
パフォーマーである役者も、映像に出演する私自身も、外国人と間違われる容姿ではなく、発話内容は自分として生活していれば体験しないことばかりであった。役者は上演時間(30時間)全てをかけて、実在するインタビューを受けた男性になりきることを目指す。
身体という選べないものから生まれる語りを、当事者性を損ないながらも変奏する。発話は「誰が」「何を言ったか」に分解されうる。
パフォーマー 初鹿男 海雄 さん